タイムシェアは値上がりすると聞いたのですが、本当ですか?
タイムシェアのオーナー様から「タイムシェア物件の値段が上がり続けていると聞きました。このままいけば、私が持っているタイムシェアの価値は上がりますか?」とご質問をいただくことがあります。
そこで今回はタイムシェアの値上がりは本当かどうかを詳しく解説したいと思います。
直販価格は初期の値段と最終価格を比較すると約2倍
リゾート会社が設定する物件価格の初期の値段と売り切れ時点の値段は比較すると2倍ほど違います。どういうことかと言いますと、リゾート会社が物件の売値を徐々に上げているのです。
例えば、ヒルトンのラグーンタワー2LDK、オーシャンフロントの物件を例にあげますと、販売当初2000年の売値は約$30,000でしたが、2007年に完売し、最終値は約$80,000でした。7年で2倍以上の値段に値上げをしたことになります。
ヒルトンの場合、物件ごとに値上がりの差が若干ありましたが、グランド・ワイキキアンやグランド・アイランダーはどの物件においても、販売当初の値段の2倍程度が最終値となっています。
完売後に、お持ちのラグーン・オーシャンフロントの物件をヒルトンに下取りしてもらうには、購入価格で買い替えの下取りとなります。ですので、ここでも価格が上がるという事はございません。仮にヒルトンの販売価格が上がっていたとしても下取り価格は購入時の価格となります。
なぜ値段が上がっていくのか?
前述しましたとおり、リゾート会社が販売しているタイムシェア物件は販売当初の物件価格から比べると、完売直近の値段の差は2倍です。では、なぜ同じ物件なのに値段が変わるのか、解説したいと思います。
在庫の調整と緊急度のアップ
リゾート会社は値付け1つをとってもデータをもとにいくらで売るのかが適正価格なのか、戦略的に値段設定をしています。
例えば、ラグーンタワーの場合、ガーデン・ビューとオーシャン・ビューとオーシャン・フロントの物件があります。同時に販売すると、自然と売れ行きのスピードが異なり、人気物件は早く売れていき、あまり売れ行きの良くない物件は在庫が残ります。
ラグーンの場合はオーシャン・フロントが飛ぶように売れたため、ヒルトンが値段を上げていきました。そして、値段を上げても、売れ行きのスピードが変わりません。すぐに売れてしまう物件は適正価格ではないので、また値段を上げます。こうしたことから、人気物件は物件価格がどんどん上がるということになります。
逆に売れ行きが良くない物件は値段を据え置きにするなどといった処置が取られます。こうして、リゾート会社は値段の調整をしながら、均等に在庫がなくなるようにしているのです。
また、在庫の調整だけでなく、「今買うとこの値段ですが、来月には値上がります」と説明会で伝えることで、「直ぐに買った方がお得である」という決定を促す効果があると言われています。
不要になったら2倍の値段で売れるわけではありません
ご注意いただきたいのはタイムシェアのリセール市場はリゾート会社での売買価格よりもだいぶ値下げされた状態で販売されているという点です。中古で売るときも買った時の値段と同じ金額で売れるかというとそうではありません。
確かにリゾート会社では年々タイムシェアの値上がりをしていますが、タイムシェア物件は不要になったら、リセール市場で売り出しすことになります。
リセール市場の物件価格は需要と供給に大きく影響されます。通常、リセール市場においては、売却をされたい方が多くいらっしゃるので、自然とお値段も下がってきます。
また、リゾート会社は下取りをして新しい物件への買い替えは行っていますが、物件を処分するための買い取りというのは行っていません。ご注意くださいませ。
ハワイの不動産は常に上がっているので、タイムシェアも上がるのか?
次に、ハワイの不動産は価値が常に上がっていると聞きました。タイムシェアも価値が上がるのでしょうか?というご質問です。
ハワイの不動産売買とタイムシェア物件の売買は全く連動していません。と言いますのも、タイムシェアをリセール市場で手放す時にはヒルトンの場合は買った時の1/3以下、ディズニーは半額での売買となります。他にも諸経費がかかりますので、実際の手取りは異なります。
こうしたことから、直販で買った値段で売れるとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には直販の値段設定のように値段が上がるどころか、リセールでは下がった値段での売却になります。
コオリナに鉄道ができれば、不動産の価値が上がると聞きました
マリオットやアウラニのオーナー様から「コオリナに電車が通れば、不動産価値が上がると聞きましたが、本当でしょうか?」とご質問をいただくことがあります。
現在、鉄道は東カポレイ駅というコオリナ・リゾートから車で15分ほどの場所まで来ています。鉄道が近くに来ていますが、直接的にタイムシェアのリセール価格を上げることには繋がらないと考えます。
リセール価格はあくまでもリセール市場での需給関係で決まります。利便性が向上しても、タイムシェアのリセール価格は上昇することはないかと思います。
最後に
こちらの記事では今回はタイムシェアの値上がりは本当かどうかについてご紹介しました。タイムシェアの開発会社が販売しているタイムシェアの販売価格は政策上、値段が上がります。在庫調整や緊急度のアップが目的です。
ただし、その物件をリセール市場で物件を売却をしても利益を出すことはできません。直販価格の1/2ないしは1/3以下になると念頭に入れていただければと思います。