コロナ禍においてハワイ不動産が値上がりした3つの理由
2020年10月現在、コロナ禍の影響でハワイのタイムシェア中古相場は需給関係から値下がりしております。一方、ハワイの一般不動産の相場は一部で値上がりしているというニュースです。特にオアフ島の一戸建は、中間価格が過去最高を記録したという驚きのニュースです。
オアフ島の戸建て価格が13.3%値上がりしている状況
コロナ禍による観光客の減少、事業の閉鎖、高失業率と、経済が低迷しているにも関わらず、オアフ島の住宅市場は 2か月連続で過去最高記録を打ち立てました。
オアフ島の一戸建て住宅の 9月の中間価格は、前年同期の 77万7千ドルから 13.3%上昇した 88万ドルとなりました。今年 8月に打ち出された過去最高記録の 83万9千ドルをさらに上回る結果となりました。それ以前の最高中間価格は、2019年 7月の 83万5千ドルでした。タイムシェアの中古相場が値崩れしている状況を知る我々にとっては注目するニュースです。
オアフ島の戸建てが値上がりした3つの理由
まずオアフ島の戸建ての値が上がりした1つ目の理由は、新型コロナ感染流行によって余儀なくされた新しいライフスタイルが、より広い住宅の需要を高めたのではないかと一部の不動産業者は推測しています。ホノルル不動産協会(HBR)の報告書によると、2千平方フィート(約 185平米)以上の居住空間を含む一戸建て住宅の今年 9月の販売量は、前年同期に比べ 38%も増加しています。
急増したのは価格が上限にある住宅です。70万ドルから149万ドルの住宅の販売が 39%増加し、150万ドルを超える住宅では 43%も増えています。反対に 70万ドル未満の住宅の販売は 36%減少しています。販売数でみると、前年 9月の 347件から 13%増加した 391件の住宅の取引がありました。コンドミニアムでは前年 9月の 466件から 2%減の 456件で、中央価格は横這いの 44万5千ドルでした。
そして2番目の理由は、低金利により高所得世帯がより高価な住宅を購入できるようになったことがあげられます。通常、手頃な価格の住宅を購入する中間所得以下の世帯が特に、パンデミックによる打撃を被っていることがこのパターンに関連していると専門家は指摘しています。
更に3番目の理由として、歴史的な低金利に加えて一戸建ての在庫不足と今年初めの需要の停滞を反映した売り手市場が起こり、中央価格に上向きの圧力がかかっているとの見方もあります。
HBRによると、昨年 9月末には 1548戸出ていた一戸建て住宅の在庫数が今年同期には 39%減の 939戸でした。その内 9月中に市場に出たのはわずか 590戸で、これは40年ぶりの低水準です。そして 9月中に販売された一戸建て物件の10戸に4戸が提示価格を上回りました。前年度の約 2倍の163件が提示価格以上で取引されました。
今後の予測は不透明
今回はコロナ禍において、一般不動産の中でも一戸建ての需要が高まり、低金利や販売在庫が少なかったという要因が重なりオアフ島での一戸建て住宅の値上がりという状況になりましたが、今後この勢いがいつまで続くかは不透明と言えます。観光マーケットの回復次第で、ハワイの景気が更に悪くなる見方や、以前のような経済状況まで回復するには数年かかるという見方も多く存在しています。タイムシェアに関して言えば、マーケットサイズが小さいこと、一旦観光マーケットが回復するとリゾート会社の第一先取特権の行使が再開することで相場が一機に回復する見方もできます。いずれにしても、出来るだけ今後もハワイの不動産並びにタイムシェアの動向を皆さんにお伝えして行ければと思っています。