ハワイアン航空 1千人以上の人員削減(2020年9月)
ハワイアン航空が従業員千人以上の削減を決断しました。2020年9月の段階で新型コロナウィルスによる第2回目のロックダウンが期間延長となり、今後の経済活動への影響が更に懸念されている状況です。
ハワイの企業が受ける新型コロナウィルスの影響
コロナウィルス関連の旅行需要の落ち込みとロックダウンによる財政の悪化をうけて、ハワイ最大の航空会社、ハワイアン航空も縮小を余儀なくされました。
ピーター・イングラム社長(兼CEO)がパイロットと客室乗務員に宛てた書面通告によると、9月7日付けの通知で一時的解雇の詳しい内容が発表されます。客室乗務員 816人が削減される予定で、そのうちの 341人は強制的に解雇されるかたちとなります。パイロットの削減は 173人で、そのうちの 101人は強制解雇です。
社長からの動画メッセージ
イングラム社長は従業員に向けた動画で、過去数週間にわたる希望退職者(退職パッケージの受給者)につづき、大変遺憾だが今週からは非正規雇用者の一時解雇を実施すると述べています。
また、9月中旬には国際機械工労働組合(IAM)と全米運輸労働者組合(TWU)にも解雇通知が送られます。ハワイアン航空は約 1,034名の IAM職員、18名のTWU職員の削減を予定しています。
今年3月の従業員は7500人に成長していたハワイアン航空
ハワイアン航空はハワイ有数の就職先でもあり、コロナ禍以前は長期成長を続けていました。2005年に 3,500人だった雇用者は今年三月には 7,500人に増加しており、その90%がハワイ勤務でした。
今年初めに人員削減の必要に迫られた時点では、強制解雇が必要にならないことを願って、希望退職者と早期退職者を募りましたが、多くの従業員の協力があったにもかかわらず今回の削減を食い止めるには至りませんでした。米国政府からの追加の給与支援と旅行需要の回復の希望もかなわぬままでした。
ハワイを代表する会社として存続を続ける意思をイングラム社長は強調しています。暫くの間は苦境に耐えることになろうとも、再びこれまで以上に繁栄することをめざして前進すると語っています。
2020年10月の臨時便の発表がJALとANAからありました。2社共に日本とハワイ間の定期便は引き続き欠航となり、臨時便のみとなります。これは学生やビザ就労者などでどうしても日本へ帰国しなければならない人々への運航提供と、必要な物資の運ぶためとの目的だそうです。ハワイ観光業における今回の新型コロナウィルスとの戦いはもう暫く続きそうです。
(出典:ホノルルスターアドバタイザー 9/1/2020 Allison Schaefers)