コロナ渦から発生したハワイ政局の混乱:ハワイ衛生局長、公安局長の辞任
ハワイでは、2020年9月現在、当初の予想をはるかに超えるコロナ感染者の増加に伴い、様々な影響が出ています。8月には一日に200人から300人を超える新規感染者が出てしまい、2度目のロックダウンが実施されている状況です。
コロナ危機対応の責任をとって、ハワイ衛生局長と公安局長が辞任
この度、コロナ危機対応の責任をとって、ハワイ衛生局長と公安局長の辞任が決まりました。
ハワイでのコロナ感染者が増加するなか、充分な検査がされなかったこと、感染者追跡の失敗、感染状況の情報収集や開示が不十分だったことに対して、ハワイ衛生局のブルース・アンダーソン局長への不満と批判が強まっていました。ハワイ公務員労働組合(HGEA)は、疫学の専門家がオアフに 15人、その他の島には 3人しかいないことも問題視しています。数千件のコロナ接触者追跡に不十分だとの見方です。ハワイの人口に基くと 420~564名の人員が必用だと一部の専門家には言われています。
アンダーソン氏は 9月15日付けで辞任することが決まり、救急医のリビー・チャー医師が後任として任命されました。自らも救急医であるハワイ副知事のジョシュ・グリーン氏をはじめ、多くの医療関係者や政治家がチャー氏の任命を支持しています。
刑務所で発生したクラスター事件
また、10月 1日付けで辞任するハワイ公安局のノーラン・エスピンダ局長は、州の刑務所(オアフ地区更生施設)で大規模の感染爆発が起きたことによって責任を問われていました。8月末日時点では、受刑者 81名、刑務官など職員 49名が感染していました。これまでに感染した受刑者 208名、職員 14名が回復しています。クラスターがあまりに大きくなったため、ハワイ最高裁判所により一部の受刑者の釈放が命じられましたが、エスピンダ氏の対応次第では回避できた処置であると、近隣からの非難が高まりました。
エスピンダ氏は 9月中休暇をとっているため、その間の代理は公安局のマリア・クック事務局次長が務めることになります。エスピンダ氏退任後の新局長はまだ任命されていません。
アンダーソン氏とエスピンダ氏以外にも、州税務署、州保健福祉省、州労働省のトップが今年 7月以降に辞任しています。ハワイでは、今回のコロナ渦の中、経済の低迷が心配されると同時に、政局においても様々なニューズが発生しています。いつかこのコロナ問題も終息すると信じながらも暫く混乱は続くかもしれません。
(出典:ホノルルスターアドバタイザー 9/1/2020 Allison Schaefers)