続編:気になるザトウクジラの減少
ハワイ沿岸で観察されるザトウクジラの減少記事が出ていましたので、追加でご紹介させて頂きます。
今年 3月末にサンクチュアリー・オーシャン・カウントが行った観測で、15分間に確認されたザトウクジラの数は昨年同期の半数にも満たない 34頭でした。
サンクチュアリー・オーシャン・カウント は、米国政府機関「アメリカ海洋大気庁(NOAA)」の一環である「ハワイ諸島ザトウクジラ国立海洋保護区」が行うザトウクジラの観測です。
ザトウクジラへの関心を呼び掛けるために 18年前に開始され、毎年 1月2月3月に一度ずつ、オアフ島、カウアイ島、ハワイ島の 3島で調査が行われています。
今年最後となる 3月 31日の調査では、440人以上のボランティアが 3島の 43箇所のエリアで測定を行いました。ハワイ島の天気は良好でしたが、オアフ島とカウアイ島は雷雨にみまわれ、閉鎖される観測エリアもありました。
サンクチュアリー・オーシャン・カウントの今年 1月の測定では 172頭が、2月には 135頭が確認されています。
毎年 1万頭以上のザトウクジラが、繁殖のためにアラスカからハワイへ移動すると想定されています。12月から 4月がハワイでのピークですが、早いと 10月にはハワイに到着しているクジラもいます。そして遅くは 6月までハワイの沿岸で目撃されています。
先日このブログでもご紹介しましたが、2月末にはマウイ島のパシフィック・ホエール財団も恒例のザトウクジラのカウントを行っています。この測定でも、前年の 984頭に対して 529頭と大幅な減少が観測されました。これについて財団は、ザトウクジラがハワイへ移動する時季に変化が起きている可能性を提起していました。
しかし、ハワイ諸島ザトウクジラ国立海洋保護区のリサーチ・コーディネーター、マーク・ラマーズ氏は、それぞれの調査の結果だけから意味を見出すことはできないといいます。ボランティアによるクジラの観測は重要な調査ではありますが、それだけによって状況を結論付けられるわけではありません。今後も保護に力をいれつつ、様々な調査と考察を重ねていく必要があります。
次世代の子供たちの為にも、綺麗なハワイを残してあげたいなと思っています。